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おすすめなことはない [ブログ]

文学に志し、詩集を作ったり短歌の投稿をしたりして、森鴎外・田山花
袋・尾崎紅葉らと交流します。やがて東京帝大の政治科卒業後、農商務省に
勤務、仕事もあって岡山県北部・北海道・樺太などを歩きますが、文学活動
はずっと続けていました。

そして明治41年。この年が柳田にとって大きな転換の年となります。この年
の夏、九州四国旅行したのですが、このときに宮崎県の秘境・椎葉村に
一週間ほど滞在、村長の中瀬淳氏から古い伝承を聞き、こういう世界に興味
を持ちます。

そしてその年11月4日柳田氏の自宅を岩手県遠野出身の文学青年・佐々木喜善
が訪問しました。佐々木は第一線の作家たちと親しい柳田に好奇心をもって
の訪問であったとも言われますが、佐々木が郷里で聞き知っていた昔話に柳
田は強い関心を寄せます。

そして翌年夏遠野を訪問、その翌年明治43年に「遠野物語」の初版が出まし
た。この物語集はもっぱら柳田が佐々木や彼の協力者たちが集めてくれた話
を整理したものです。最初の版が出てから大きな反響があり、結果的にこの
時点から柳田は農政学者から民俗学者に移行することになる訳ですが、続編
を作ろうと原稿を整理している最中に佐々木が待ちきれなくなって「聴耳草
子」を出してしまったため、拍子抜けして作業が中断してしまう一幕もあり
ましたが、結局昭和10年に有志の人たちによって実現しました。この辺りの
事情は折口信夫が書いた後記に記載されています。